
アメリカ大陸は、ヨーロッパ諸国による植民地化が進む前から先住民たちが豊かな文化を育んでいました。しかし、15世紀末の「新大陸発見」をきっかけに、ヨーロッパ諸国が競ってこの地を支配し、資源を求めて探検と植民地化を推し進めていくことになります。それでは、このアメリカ大陸を「発見」したのは誰で、その植民地化の歴史はどのように進展していったのでしょうか?
アメリカ大陸の「発見者」として最も知られているのはクリストファー・コロンブスです。彼は1492年、スペイン女王イザベラの支援を受けて大西洋を横断し、西インド諸島に到達しました。当初、彼はアジア(インド)へ到達したと信じていましたが、後にこの地が未知の「新大陸」であることが判明したのです。
コロンブスの航海は、アメリカ大陸植民地化のきっかけとなり、これを皮切りにヨーロッパ諸国が次々に新大陸へ進出しました。大航海時代の幕開けです。
アメリカ大陸の植民地化は、スペインが先駆けとなり、スペインに続き、ポルトガル、イギリス、フランス、オランダなども参入していきました。
スペイン王国は、コロンブスが最初に到達したカリブ海地域を起点に、アメリカ大陸における大規模な探検と植民地化を進めていきました。とりわけ鉱山に眠る豊富な金銀を目的として、南アメリカからメキシコにかけて広大な地域に支配を広げ、その過程でアステカ帝国やインカ帝国など現地の文明を滅ぼしています。
ポルトガルは、1494年のトルデシリャス条約に基づき、南アメリカ東部(現在のブラジル)を支配。砂糖プランテーション、およびその労働力としてアフリカからの奴隷貿易を展開し、莫大な利益を上げたのです。
17世紀初頭からは、北アメリカでイギリスとフランスが激しい植民地競争を繰り広げるようになります。フランスは現在のカナダやルイジアナ地域を中心に、毛皮貿易を基盤とした植民地を築き、イギリスはアメリカ東海岸に13植民地を設立し、後にアメリカ独立戦争を経て独立国家となります。
オランダもまた、ニューネーデルラント(現在のニューヨーク)を中心に植民地を展開しましたが、後にイギリスに奪われました。
ヨーロッパ諸国の進出は、先住民社会に対して重大な影響を与えましたスペイン進出前、多様な文明がこの地に栄えていましたが、ヨーロッパから持ち込まれた疫病や戦争により、壊滅的な打撃を被ったのです。特にスペインによるアステカ帝国やインカ帝国の征服でその流れはいっそう加速していきました。
また植民地での生産活動拡大にともない、労働力として多くのアフリカ人奴隷がアメリカ大陸に連行されていきました。その結果、アメリカ大陸は新たな社会構造と人種構成を持つことになり、同時に生まれた人種間の不平は現代にまで尾を引く問題になっているのです。
アメリカ大陸の植民地化は、ヨーロッパ諸国にとって経済的な繁栄をもたらしましたが、先住民の人々にとっては過酷な差別と搾取の歴史でもあったのです。
スペインとポルトガルによる南アメリカでの植民地化は、金銀の採掘や農産物の生産を通じてヨーロッパに莫大な富をもたらし、その富がヨーロッパの資本主義経済の発展を促進しました。これは18世紀に始まる産業革命の伏線といえます。
というわけで、アメリカ大陸植民地化の歴史についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「アメリカ大陸の植民地化はヨーロッパの繁栄と現地の苦難を同時にもたらした重要な出来事である」という点を抑えておきましょう!