
大航海時代の船乗りたちにとって、飲み水の確保は非常に重要な問題でした。長期間の航海では、新鮮な水の確保が難しく、水不足は生命に直結する大きな課題となっていたのです。では、彼らはどのようにして貴重な飲み水を確保していたのでしょうか?今回は、大航海時代の船乗りたちがどのように水を管理し、工夫していたのかについて詳しく見ていきましょう。
大航海時代の船では、飲み水は大きな木樽に貯蔵され、航海に出る前、港でできる限り多くの水を船に積み込むのが常でした。これらの水樽は、船内の湿気や外部の汚染から守るため、船の下層にしっかりと保管されていました。
しかし、水の貯蔵量には限界があり、航海が長引くと水の質が低下する問題もありました。木樽に入れられた水は、時間が経つと徐々に腐敗し始め、カビや雑菌が繁殖することがありました。このため、船乗りたちはたびたび水を濾過したり、沸騰させてから飲む必要があったのです。しかし、長期の航海中は火を使う機会も限られていたため、どうしても腐敗した水を飲まざるを得ない状況に追い込まれることがありました。
また、水は重量が重く、貴重な積荷スペースを占有するため、限られた量しか持ち運べませんでした。そのため、どのタイミングで補給するかも航海計画の中で重要な決断となっていたのです。
長期間の航海では、積んだ水が腐って飲めなくなることも珍しくありませんでした。そんな時、船員たちは雨水を飲み水として活用していました。雨が降ると、帆や甲板にたまった雨水を集め、それを貯めて飲み水にするのです。この雨水は、新鮮な飲み水として重宝され、特に熱帯地域や嵐の多い地域では重要な水源となりました。
しかし、雨が降らない期間が続くと再び水不足に直面することもあり、天候に依存するこの方法だけでは限界がありました。それでも、航海中の水源としては欠かせない存在でした。
また、帆や甲板から集めた雨水はそのままでは飲めないことが多く、濾過や簡単な浄化作業が行われました。雨水を確保するため、船上では布や樽を使った工夫が施されていたのです。
水の腐敗や不足に対するもう一つの対策として、ビールやワインが飲み水の代わりとして積まれていました。これらの飲み物はアルコールが含まれているため、長期間の保存が可能であり、飲み水が腐ってしまった時でも安全に飲むことができたのです。特にビールはアルコール度数が低いため、水分補給の役割も果たしていました。
当時、ビールやワインは「液体のパン」とも呼ばれ、栄養も少し含まれているため、船乗りたちにとっては貴重な飲み物でした。ただし、これもあくまで一時的な代用品に過ぎず、十分な量を持ち込めない場合は深刻な水不足に陥ることもあったのです。
また、長期航海ではこれらの飲料も次第に底をつき、船員たちは汚染された水や海水を飲むしかなくなることもありました。ビールやワインの在庫が尽きたときの絶望感は、想像に難くありません。
航海中、船が寄港するたびに新鮮な水の補給が行われました。特に長期航海では、定期的に港に立ち寄り、飲み水や食料を補給することが不可欠でした。寄港地での水の確保が成功しなければ、船員たちは深刻な水不足に直面し、航海が続けられなくなる危険性もあったのです。
また、時には無人島や未開の土地に上陸し、川や泉から水を確保することもありました。これらの水源は、必ずしも安全とは言えず、病気のリスクも伴いましたが、命をつなぐためには欠かせないものでした。補給地での新鮮な水の確保は、船長にとっても航海計画の重要な一部となっていたのです。
というわけで、大航海時代における飲み水の確保方法についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「大航海時代の船乗りたちは、限られた資源と工夫によって飲み水を確保し、過酷な航海を生き延びた」という点を抑えておきましょう!