
大航海時代、海を渡る冒険の中で、船乗りたちは過酷な生活を送りながらも、食事を工夫していました。当時の航海では、保存食を中心とした限られた食材を使い、長期間腐らないようにすることが重要でした。今回は、大航海時代の船乗りたちがよく食べていた「定番料理」に焦点を当て、その内容や背景について詳しく解説します。
最も代表的な定番食といえば、船用ビスケット「ハードタック」です。このビスケットは、小麦粉と水を練ってから焼かれたもので、非常に硬くて味気ないものでしたが、長期間保存できるため、航海中には必需品でした。通常のパンと違い、湿気やカビにも強く、船の食糧庫でも腐らないという利点があったのです。
ただし、その硬さゆえに食べる際には水やスープに浸す必要がありました。噛むことが難しく、時には金槌で砕いて食べることもあったと言われています。味はほとんどなく、栄養価も低いものでしたが、空腹を満たすためには欠かせないものでした。
航海中、肉は新鮮なまま持ち込むことができないため、塩漬けにして保存するのが一般的でした。塩漬け牛肉や豚肉が主に使用され、これがもう一つの定番料理として定着します。肉を大量の塩で保存することで、腐敗を防ぎ、長期にわたって食べることができたのです。
しかし、塩分が非常に多いため、食べると水分を欲します。その為しばしば飲み水不足を引き起こす原因となりました。また、長期間塩漬けにされた肉は硬く、調理にはかなりの手間がかかりました。時には脂身ばかりの肉や、質の悪い部位が提供されることもあり、船員たちの不満を引き起こすことも少なくなかったようです。
海の上にいる船乗りたちが利用できる貴重な食材として、干し魚がありました。航海中に捕まえた魚を干して保存し、それを食料として利用していたんですね。特に北大西洋や太平洋を航海する際には、魚が豊富に取れたため、干し魚は船乗りたちの重要なタンパク源となったのです。
また、船上での調理にはスープがよく作られました。これは、硬くなったビスケットや塩漬け肉、干し魚を使って作られるもので、船乗りたちにとっては温かい食事として重宝されました。スープにすることで、保存食の硬さを和らげ、少しでも食べやすくする工夫がなされていました。魚のスープは栄養価が高く、身体を温める効果もあったため、寒冷な気候での航海中には特に好まれた料理でした。
ビタミン不足が大きな問題だった大航海時代において、キャベツの漬物「サワークラウト」も定番料理として取り入れられていました。サワークラウトは保存が利くだけでなく、ビタミンCが豊富に含まれており、壊血病の予防にも効果的でした。航海中に新鮮な野菜や果物が手に入らないため、これが貴重な栄養源となっていたのです。
この料理は特に後期の航海で多く取り入れられるようになり、船員たちの健康管理に大きく貢献します。当初は食べ慣れない味に船員たちは戸惑ったとも言われますが、次第にその健康効果が認識され、広く食べられるようになりました。
というわけで、大航海時代の定番料理についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「大航海時代の船乗りたちは、限られた食材と工夫によって、過酷な航海を乗り越えていた」という点を抑えておきましょう!