
大航海時代の船乗りたちは、長期間にわたる航海で食料を確保することが大きな課題でした。船上で保存できる食材は限られており、特に新鮮な食材を手に入れるのは困難でしたが、海での航海中に採れる魚は貴重なタンパク源でした。今回は、大航海時代によく食べられていた魚料理について、その背景や調理方法を解説していきます。
大航海時代において、干し魚は最も重要な魚料理の一つでした。新鮮な魚を長期保存するための手段が限られていたため、船乗りたちは航海中に捕まえた魚を干して保存する技術を活用していました。特に大西洋や太平洋を航行する船乗りたちは、豊富な魚を捕まえ、それを干して貯蔵することで、数週間から数か月にわたる食事を確保したのです。
干し魚は非常に硬く、風味も強くなりがちでしたが、長期航海では腐敗しにくく、貴重なタンパク源となりました。食べる際には、水やスープで戻して柔らかくし、食べやすくする工夫がされていたのです。魚を干す作業は船上でも行われ、日中は甲板で魚が干される光景がよく見られたと言われています。
航海中の魚料理でよく食べられたものの一つに、魚のスープがあります。干し魚をベースにして、残りの少ない食材と組み合わせて作られたこのスープは、船乗りたちにとって温かい食事として非常に重要でした。特に、寒い北大西洋を航行している際には、魚のスープが身体を温め、栄養補給のために役立ちました。
魚のスープには、硬くなった船用ビスケット「ハードタック」や、塩漬け肉の余りを入れて煮込むことが多く、味付けには限られた香辛料や塩が使われました。この料理はシンプルで、調理が簡単だったため、船員たちの定番食となっていたのです。
もう一つの定番料理として、塩漬け魚がよく食べられていました。魚を捕まえてすぐに塩漬けにし、保存することで長期間の航海でも食べられるようにするのです。塩漬けは大航海時代の保存技術の一つで、特に魚や肉を腐らせずに保存するために不可欠な手法でした。
塩漬け魚は、塩分が強いためそのまま食べるのは難しく、通常は水で塩抜きした後に食べられていました。また、スープに入れるか、他の食材と一緒に煮込んで食べることが多かったようです。保存期間が長いという利点はありましたが、塩分が多いために船員たちは常に水不足と塩分過多の問題に直面していました。
この塩漬け魚は、貴重な保存食として多くの船に積み込まれており、特に鱈やニシンなどの魚がよく利用されました。
もちろん、船上で釣った新鮮な魚は、即席で焼かれることもありました。新鮮な魚を捕まえることができた時は、船員たちにとって一時的なご馳走となり、塩や胡椒で味付けをして焼き上げた魚がすぐに食卓に並びました。魚をその場で焼くことで、シンプルながらも満足感のある食事となり、普段の保存食に飽きた船員たちには貴重な楽しみだったのです。
ただし、天候が悪かったり、魚が釣れなかったりする時は、このような贅沢は望めませんでした。魚を焼いて食べるのは、時折訪れる幸運の瞬間であり、普段は保存食に頼らざるを得なかったのです。
というわけで、大航海時代によく食べられていた魚料理についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「大航海時代の船乗りたちは、魚をさまざまな形で料理し、栄養を補いながら過酷な航海を乗り越えていた」という点を抑えておきましょう!