
大航海時代、船乗りたちにとってビタミンCの不足は深刻な問題でした。特に長期の航海では、新鮮な果物や野菜を手に入れる機会がほとんどなく、ビタミンC不足による壊血病が頻発していたのです。しかし、船乗りたちはさまざまな方法でこの不足を補おうと試みていました。では、どのような食材や方法でビタミンCを摂取していたのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
壊血病は、ビタミンCが不足することで発症する病気です。ビタミンCは、コラーゲンの生成に必要不可欠な栄養素で、これが不足すると、血管が脆くなり、歯茎からの出血や、傷の治癒が遅れる症状が現れます。大航海時代では、この病気が原因で多くの船員が命を落としました。
当時の船には新鮮な果物や野菜を持ち込むのは困難でした。保存性が低いためすぐに腐ってしまうのです。このため、航海が長引くほど、壊血病が蔓延するリスクが高まっていました。
長期の航海中にビタミンCを補うための食材として最も効果的だったのが柑橘類です。オレンジやレモンはビタミンCを豊富に含んでおり、これを定期的に摂取することで、壊血病を予防できることが次第に理解されるようになりました。イギリス海軍では、レモンやライムの汁を船員に配給する習慣ができ、そのため船乗りは「ライムジュースの飲み手(Limey)」と呼ばれるようになったのです。
しかし、当初はこの事実がまだ広く認識されておらず、別の保存が効く食品でビタミンCを補おうと試みられていました。
長期航海では、干し肉や塩漬けの魚が主食となりましたが、これらにはビタミンCが含まれていません。そのため、ビタミンC不足を補うために使われたのが、塩漬けキャベツや発酵食品です。特にザワークラウト(キャベツを発酵させたもの)は、ビタミンCを含み、壊血病予防に効果があるとされ、いくつかの航海では積極的に使われました。キャベツは保存性が高く、発酵させることでさらに長期間保存が可能となるため、航海中でもビタミンCを摂取する手段として注目されました。
また、ある程度の新鮮な果物や野菜が積み込まれていたものの、これらは航海の序盤で使い切ってしまうことが多かったため、発酵食品や保存食が貴重な栄養源となりました。
ビタミンCの不足を防ぐためには、定期的な寄港地での補給も欠かせませんでした。寄港地では、可能な限り新鮮な果物や野菜を調達し、これを摂取することで船員たちの健康を維持していたのです。特に熱帯地域の寄港地では、ビタミンCを豊富に含むフルーツが手に入りやすかったため、これらを求めて頻繁に寄港しました。
また、寄港地で獲れた魚や新鮮な肉も大切な栄養源となり、船員たちは一時的にビタミンCの摂取ができました。しかし、長期間の航海が続く中では、このような補給も頻繁に行うことはできなかったため、船内での工夫が求められました。
というわけで、大航海時代のビタミンC不足を補う方法についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「ビタミンCを摂取するための工夫が、船員たちの命を救う重要な役割を果たしていた」という点を抑えておきましょう!