
大航海時代、多くの船乗りたちは長期間にわたる航海に出ていましたが、その生活は過酷で、衛生環境も非常に悪いものでした。特に、現代の私たちにとって欠かせない「風呂」は、船乗りたちにとっては贅沢品であり、基本的には使えないものでした。そんな時代の船乗りたちは、どのようにして清潔を保とうとしていたのか、風呂に代わる方法やその実態について詳しく解説していきます。
大航海時代の船乗りたちにとって、風呂はほとんど存在しないものでした。これは、船上の生活環境が非常に限られていたためです。船には真水の貯蔵量が限られており、その大半は飲料水として使われるため、風呂に使う余裕はほとんどありませんでした。また、風呂を沸かすための燃料も貴重で、無駄にできないものだったのです。
そのため、船乗りたちは何週間、時には何ヶ月も体を洗うことができないまま過ごさなければなりませんでした。衛生状態の悪さから、病気が蔓延することもありました。特に、食糧不足や栄養失調と合わせて、船上生活は非常に過酷なものだったのです。
では、船乗りたちは全く体を洗えなかったのかというと、そうではありません。彼らは海水を使って体を洗うことが一般的でした。風呂に入る代わりに、バケツなどで海水をすくい上げ、それを使って体を拭いたり、さっと流したりしていました。もちろん、塩分が多いため肌に負担がかかることもあり、清潔感もそれほど得られなかったとは思いますが、それでも最低限の衛生を保つ手段として使われていました。
海水での体洗いは日常的な習慣であり、特に暑い気候の地域では、少しでも体を涼しくするための重要な手段でした。また、船が停泊している時には、乗組員たちが直接海に飛び込んで泳ぎながら体を洗うこともあったそうです。この方法であれば、水の補給が必要なく、比較的気軽に体を清潔に保つことができました。
船上での衛生手段が限られている中で、船乗りたちの健康状態はしばしば悪化しました。特に、長期間の航海では、汗や汚れが溜まり、不快な状況が続きました。また、頭や体にシラミやダニが寄生することもよくあり、そのような寄生虫に悩まされながらも、どうにかして清潔を保とうとしましたが、効果的な対策はほとんどなかったのです。
病気の蔓延も大きな問題でした。風呂に入れないことで皮膚病が増え、壊血病や感染症が広がるリスクも高まりました。衛生状態が悪いと、体力が消耗しやすく、病気に対する免疫力も低下します。そのため、航海中の船乗りたちはしばしば病気と戦いながら過ごさなければならなかったのです。
だからこそ、中継地や目的地の港に到着すると、多くの船乗りはまず風呂に入りたいと考えました。特に、港町に風呂屋や温泉があれば、彼らはそれを大いに楽しんだことでしょう。こうした風呂の機会は、彼らにとって体を清潔にするだけでなく、心をリフレッシュする大切なひとときだったのです。
ただし、船長や上級士官は、一般の船乗りよりも多少恵まれた待遇を受けていました。彼らは、船室内に小さな洗面用具を備え付けていたり、真水を少量使って体を拭くことができる場合もありました。また、彼らの寝床は一般船員よりも清潔に保たれ、寄生虫の被害も少なかったと考えられます。
それでも基本的には海水を使った体洗いが日常的でした。彼らは航海中のストレスや疲労を少しでも和らげるために、できる限りの手段で衛生を保とうとしていたのです。
というわけで、大航海時代の船乗りたちの風呂事情についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「大航海時代の船乗りたちは、限られた資源と手段の中で、なんとか清潔を保とうと苦労していた」という点を抑えておきましょう!