
大航海時代、広大な海原を航海する際に、方位を正確に知ることは生命線とも言える重要な技術でした。当時の船乗りたちは、現代のようなGPSなどの技術はなく、星や太陽、そしていくつかの航海用の道具を駆使して自分たちの位置を把握していました。それでは、彼らは具体的にどのような方法で方位を調べていたのでしょうか?今回は、大航海時代に使用された航海術について詳しく見ていきます。
航海で最も重要な道具の一つが「羅針盤(コンパス)」です。羅針盤は、磁石の特性を利用して北を指し示す道具で、船の進むべき方位を正確に示す役割を果たしていました。特に航海中は、天候や時間によって太陽や星が見えないことも多かったため、羅針盤は常に信頼できる道具として使われていました。
羅針盤自体は中国で発明され、その後、イスラム世界を経由してヨーロッパに伝わりました。ヨーロッパでは13世紀頃に本格的に航海に取り入れられるようになり、大航海時代の発展に大きく寄与しました。また、コンパスカードと呼ばれる目盛り盤がついた羅針盤も登場し、方位だけでなく、正確な角度を測ることもできるようになりました。
方位を調べるもう一つの重要な方法が、天体観測です。特に、太陽や星の位置を測定することで船の緯度を知ることができました。このために使われていたのが、「六分儀」という道具です。
六分儀は、天体と地平線の角度を測るための道具で、これによって現在の緯度をかなり正確に知ることができました。特に北極星の高度を測定することは、北半球での航海において非常に有効でした。緯度の計算ができることで、目的地に向かって進むための重要な指針を得ることができたのです。
大航海時代の船乗りたちは、方位を知るだけでなく、海図や海流、風の動きも読み解きながら航海を進めていました。海図は船の進路を計画するための地図で、これに基づいてどのように進むかが決定されます。初期の海図はあまり正確ではありませんでしたが、時代と共に改良されていき、後の航海をより安全に、正確に導くツールとなっていきました。
また、海流や風向きも重要な情報です。船乗りたちは経験を頼りに、各海域の風や海流のパターンを把握していました。貿易風や偏西風などの風の流れは特に航海において重要で、これを利用して効率的に進むための航路が決められていたのです。
また、航海日誌は船長や航海士が航海中に常に記録していた重要な書類です。日々の風向きや天候、位置、航海速度を記録することで、どの程度進んだかを把握し、次に進むべき方向を定めることができました。
航海速度の測定には「ログ」と呼ばれる道具が使用されました。これは、船の後ろに縄を垂らし、そこに結ばれた木片がどれくらいの速度で流されるかを測るシンプルな方法です。こうしたログと羅針盤を組み合わせて、船が進んでいる距離や方位を割り出すことができたのです。
というわけで、大航海時代における方位の調べ方についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「船乗りたちは、複数の道具と自然の知識を駆使して、正確に方位を知りながら航海していた」という点を抑えておきましょう!