大航海時代は、長期間の過酷な航海を余儀なくされ、多くの船乗りたちは食料不足に悩まされていました。限られた食材と保存方法の中で生き延びるため、彼らは時に非常に厳しい選択を迫られることもありました。そんな中、「船乗りたちがゴキブリを食べていた」という話は耳を疑うかもしれません。しかし、それは本当のことだったのでしょうか？この記事では、大航海時代の船上での実情と食糧事情について詳しく見ていきます。

 

 

船内でのゴキブリの繁殖

大航海時代の船内環境は、ゴキブリのような害虫が繁殖しやすいものでした。船は狭く、湿気が多く、さらに食糧が豊富に保管されていたため、ゴキブリにとっては絶好の環境・・・。特に、長期間海上にいる間に、ゴキブリの数は爆発的に増えることが多く、船員たちにとっては避けられない問題となっていたのです。

 

船の食料庫や寝床の周辺は、彼らにとって格好の住処であり、食料に忍び込んで食べ物を汚染することも珍しくありませんでした。こうした状況の中で、ゴキブリは船員たちの大敵となり、しばしば不衛生な環境と飢えを引き起こす原因ともなったのです。

 

極限状態での食糧事情

船が長期間の航海を続ける中で、保存食が尽きたり、腐敗したりすることは珍しくありませんでした。塩漬け肉や干し魚などの食糧は長持ちするとはいえ、限界があります。特に、嵐や寄港地の不備などで食糧補給ができなかった場合、船員たちは深刻な食糧不足に直面することがありました。このような極限状態では、食べ物を求めて様々な代替手段が試みられることもあったのです。

 

実際、ネズミやゴキブリといった害虫を食べることを余儀なくされたケースも記録に残っています。もちろん、これはあくまで最後の手段であり、通常は他に選択肢がないときに限られていたのです。ゴキブリは栄養価が高く、タンパク質を多く含んでいるため、命を繋ぐためには避けられない食材となることもあったと言われています。

 

実際に食べていたのか？

ゴキブリを食べるという話は、現代の視点では信じがたいものですが、大航海時代の船員たちにとっては現実的な選択肢でした。飢餓状態に陥ったとき、彼らは手に入るものを何でも口にするしかなかったのです。しかし、ゴキブリが日常的に食べられていたわけではなく、極限状態における非常食という位置づけでした。

 

航海中の記録によると、飢えや病気で苦しむ船員たちは、ネズミや他の小さな生物と共に、ゴキブリも食べることを強いられたことがあったようです。命を繋ぐ為に致し方ないとはいえ、当然ながら船員たちの精神的な苦痛も大きかったとされています。

 

精神的苦痛だけならまだしも、ゴキブリを食べることで感染症のリスクも伴いました。ゴキブリは不衛生な環境に生息しているため、体内に様々な病原菌を持っている可能性が高く、これが船員たちの健康をさらに悪化させることもあったのです。

 

基本的には駆除の対象

船内で増殖するゴキブリやネズミなどの害虫は、食料を汚染するだけでなく、病気の原因にもなり得るため、通常、船員たちは常に害虫駆除に努めていました。特にゴキブリは非常に繁殖力が強く、完全に駆除することは不可能でしたが、船内を清潔に保つ努力は欠かせませんでした。定期的に掃除をしたり、食糧をしっかりと密封して保管することで、少しでも害虫の侵入を防ぐことが求められていたのです。

 

本来駆除すべき対象が、食べ物が尽きた時の最後の手段として捕食されることもあったというのは、この時代の船乗りたちの苦労を物語っていますね・・・