
大航海時代の船乗りたちは、広大な海を渡る中でさまざまな困難に直面しました。その中でも、向かい風は特に厄介な問題でした。風を利用して進む帆船にとって、目的地とは逆方向に風が吹くと、ただ進めなくなるだけではなく、船の進行が大きく遅れる可能性があったからです。では、向かい風のときにはどのように航海を続けたのでしょうか?今回は、そんな時代の航海術に焦点を当ててご紹介します。
帆船は、風を利用して進む乗り物ですが、向かい風が吹くとそのままでは進むことができません。そこで利用されるのが「タッキング」という技術です。これは、ジグザグに進んで目的地に近づいていく方法であり、風が直接当たるのを避けるために、少し左に進んだり右に進んだりを繰り返すことで、ゆっくりと前に進むことができるというもの。
このタッキングは、大航海時代の帆船にとって非常に重要な航海術で、これを活かせるかどうかが、航海の成功を左右する大きなポイントとなっていました。なぜなら、向かい風をそのまま受けると進めないどころか、下手をすると船が後退してしまう恐れがあったからです。
タッキングを効果的に行うためには、帆の形状も非常に重要でした。特に大航海時代には、船の帆がより効率的に風を受けるように設計されていました。多くの帆船では、四角い帆が使われていましたが、三角形のラテン帆も導入され、向かい風に対しても巧妙に航行できるようになったのです。
また、船そのものの構造も風の影響を最小限に抑えるよう工夫が施されていました。船の形をできるだけスリムにすることで、風の抵抗を少なくし、帆による推進力を最大限に活用できるように設計されていたのですね。こうした技術的な改良が、向かい風に対処するための鍵となりました。
向かい風のときに重要なのは、風の動きを読む技術です。船長や航海士たちは、風向きを読み、タッキングのタイミングを正確に見極める必要がありました。特に大航海時代では、コンパスや天文観測機器を使って、風の流れを予測しながら進んでいく技術が発展していました。
こうした風を読む技術は、時には経験や勘に頼ることもありましたが、長年の航海経験が培われたものです。風を巧みに読み取ることで、向かい風の状況でも確実に目的地にたどり着くことができたのです。
もちろん、すべての状況でタッキングや風を読む技術がうまく機能するわけではありません。風が特に強い嵐の場合や、風が完全に止んでしまった場合、船はどうにも動けなくなってしまうこともありました。このような場合には、無理をせず風が良い方向に変わるのを待つという選択もありました。
そのため船員たちは、嵐を避けるために風が弱まるまで待機したり、嵐が過ぎ去るまで船を安全な場所に停泊させたりすることもありました。無理に進むよりも、船や乗組員の安全を優先することが何よりも重要だったのです。
というわけで、向かい風の時に取られた対策についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「風を活かす技術が、航海の成功を支えた」という点を抑えておきましょう!