ポルトガル植民地政策の歴史|どこを支配した?
この記事では大航海時代におけるポルトガルの植民地政策の歴史に関する情報をまとめています。ポルトガルが支配したブラジル、アフリカ、アジアの各地や、その支配体制が経済・貿易に与えた影響、植民地政策の背景を探っていきたいと思います。

ポルトガル植民地政策の歴史|どこを支配した?

ポルトガルは15世紀から16世紀にかけて、大航海時代において重要な役割を果たしました。この国は東方アジア世界に繋がる新航路を発見し、世界中に植民地を建設、貿易ルートを掌握することで莫大な富を得たのです。ここではそんなポルトガルが、具体的にどの地域を支配し、どのように植民地政策を進めていったのか解説していきます!

 

 

ポルトガル植民地政策の始まり

ポルトガルの植民地政策は、エンリケ航海王子が主導したアフリカ西海岸探検から始まります。彼の後援のもと、ポルトガルは大西洋沿岸地域を探検し、アフリカ大陸で最初の拠点を築いたのが、非常に重要な転機でした。この動きは15世紀前半に始まり、やがてはアフリカ南端の喜望峰をも越えて、インド洋航路の開拓に成功するわけです。

 

その後、1498年にバスコ・ダ・ガマがインドのカリカットに到達したことで、アジアとの直接貿易が可能になりました。以後ポルトガルは香辛料貿易を独占し、巨額の利益を得ることで、「ポルトガル海上帝国」と称されるほどの勢力を築くのです。

 

ポルトガルの支配地域

ポルトガルが支配した地域は世界中に広がっており、アフリカ、アジア、南アメリカに多岐にわたります。

 

アフリカ

 

アフリカでは、ポルトガルは最初に西海岸沿いにモザンビークなどの拠点を築き、奴隷貿易や金、象牙の貿易を通じてヨーロッパに富をもたらしています。また、南アフリカのケープ・ヴェルデ諸島アンゴラなどもポルトガルの重要な植民地でした。

 

アジア

 

アジアでは、インドのゴアやマカオ、モルッカ諸島(現在のインドネシア)を支配し、香辛料貿易の拠点を築きました。特にインドのゴアはポルトガルの東方貿易の中心地となり、アジア全域との貿易が行われた重要な場所です。

 

中国の南部にあるマカオは、ポルトガルが中国との貿易を独占する拠点としても重要でした。この時期、ポルトガルはヨーロッパ諸国の中で最初にアジアとの直接貿易を開拓し、その富と影響力を大いに高めています。

 

南アメリカ

 

南アメリカ最大のポルトガル植民地はブラジルでした。ブラジルは、ポルトガルにとって最も重要な植民地であり、砂糖や奴隷労働を中心とした経済で大いに繁栄したのです。ポルトガルのブラジル支配は、経済的利益をもたらす最大の成功だったといえるでしょう。

 

ちなみにブラジルからは砂糖やタバコがヨーロッパに送られ、植民地経済の大部分が奴隷労働に依存していました。

 

植民地政策の意義

新たな経済モデルの確立

ポルトガルの植民地政策は、ヨーロッパ諸国に新たな経済モデルを示したという意義があります。「植民地を経由して貿易を行うことで莫大な富を得る」という考え方は、スペインやイギリスなど他の大国も習い、ヨーロッパが海外に勢力を広げていくきっかけになったのです。

 

キリスト教の拡大に貢献

また、ポルトガルは植民地を単なる資源供給地としてだけでなく、宗教的・文化的伝播の拠点としても利用しました。ポルトガルの宣教師たちは、アフリカやアジアの現地住民に対してカトリックを広めようと活動し、植民地を宗教的な支配下に置こうとしたのです。このように、ポルトガルの植民地政策は単なる経済的な動機にとどまらず、宗教的な使命感も伴っていたのです。

 

ポルトガル植民地政策の名残

ポルトガルが築いた植民地政策の名残は、現在も多くの地域に残っています。例えば、ブラジルではポルトガル語が公用語として使われ、ポルトガルの文化的影響が色濃く残っています。また、マカオやゴアなどの地域でも、建築様式や文化にポルトガルの影響が見られます。

 

そしてポルトガルの植民地政策が経済的な繁栄をもたらした一方で、現地住民に対する搾取や文化的破壊も少なからず行われました。特に、奴隷貿易を通じて多くのアフリカ人がブラジルに連行され、厳しい労働条件のもとで働かされた歴史は、今でも尾を引いているのです。

 

というわけで、ポルトガルの植民地政策についての解説でした!

 

まとめると

 

  • ポルトガルはアフリカ、アジア、南アメリカに植民地を築きました。
  • 植民地は主に貿易と宗教伝播のために利用されました。
  • ポルトガル植民地の名残は現在も文化や言語に影響を与えています。

 

・・・というわけですね。つまるところ「ポルトガルは経済的繁栄と宗教的使命を掲げ、植民地政策を推進した」という点を抑えておきましょう!