
大航海時代、ヨーロッパ諸国が新たな航路と領土を求めて海へと繰り出す中で、世界地図の進化が急速に進みました。それまでは、陸地と海の位置関係を正確に描くのが難しかった時代ですが、航海技術と地理的な発見が相まって、世界の姿が次第に明らかになっていったのです。この記事では、大航海時代における世界地図の進化について詳しく見ていきます。
大航海時代が始まる前の世界地図の多くは、古代ローマの学者プトレマイオスによって作られた「プトレマイオスの地図」に基づいていました。この地図は、地球を球体としてとらえ、緯度と経度の概念を含んでいたため、当時としては画期的なものです。しかし、地中海やヨーロッパ周辺の地形は比較的正確に描かれていた一方で、アフリカやアジア、そしてまだ発見されていないアメリカ大陸などは想像や推測で描かれていました。
ヨーロッパ人にとって、この地図は地理的知識の基盤となっていましたが、大航海時代に入ると新たな発見によって次第に修正が加えられることになるわけです。
1492年にクリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達したことで、ヨーロッパ人の地理的知識は一変しました。それまでの地図には存在しなかった「新世界」、つまりアメリカ大陸が知られるようになり、従来の地図の大幅な修正が求められたのです。
これにより、地図製作の需要が急激に高まり、より正確な地図を作るための技術革新が進みました。特に、南北アメリカ大陸が描かれるようになったことは、地図の進化における大きな転機となります。
16世紀になると、地図製作において重大な革新が起こります。それがメルカトル図法の発明です。メルカトル図法は、航海中の進路を直線で引けるという特徴を持つため、航海士にとって非常に実用的な地図となりました。
この図法を考案したのは、ベルギーの地図製作者ゲラルドゥス・メルカトルで、彼の図法は現在でも世界地図の描き方として広く使われています。メルカトル図法によって、長距離航海における航路の設定が簡便化され、ヨーロッパから世界各地への航海がより効率的に行えるようになったのです。
また、大航海時代の進行に伴い、海図(ポルトラノ)の精度も飛躍的に向上しました。海図は、船がどの地点にいるか、どのような航路を取るべきかを示すものであり、海上での航海の安全性を確保するためには欠かせない道具でした。
特にヨーロッパ諸国の大航海事業が拡大する中で、ポルトガルやスペインをはじめとする航海大国が自国の利益を守るために、独自の正確な海図を作成し、厳重に管理していたことはよく知られています。これにより、未知の海域での探検や貿易がより効率的かつ安全に行われるようになったのです。
というわけで、大航海時代における世界地図の進化についての解説でした!
まとめると
・・・というわけですね。つまるところ「新しい発見と技術革新が相まって、世界地図は劇的に進化した」という点を抑えておきましょう!