大航海時代の病気・疫病
このカテゴリーでは、大航海時代の船乗りたちが直面した病気や疫病に関する情報をまとめています。壊血病や天然痘、梅毒など、航海中に蔓延したさまざまな病の実態を探っていきたいと思います。

大航海時代に流行った病気・疫病

ライムは壊血病から船乗りを救った

大航海時代には、多くの船乗りや探検家が長い航海に挑み、世界中を旅しました。しかし、その一方で、彼らは未知の土地で様々な病気や疫病に悩まされることも多かったのです。とりわけ長期間の航海では、栄養不足や衛生環境の悪化によって病気が蔓延し、命を落とす者も少なくありませんでした。今回は、大航海時代に流行った代表的な病気について詳しく見ていきましょう。

 

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壊血病

壊血病は、ビタミンC不足によって引き起こされる病気で、大航海時代の船乗りたちにとって非常に深刻な問題でした。長期間の航海では新鮮な果物や野菜が手に入らず、船員たちは壊血病にかかり、歯茎からの出血や筋肉の衰弱、最悪の場合は死に至ることが多かったのです

 

壊血病は当時の航海において最大の脅威の一つで、数百人の乗組員のうち多くが病に倒れ、船の機能が麻痺することもありました。ビタミンCを含む柑橘類の重要性が発見されたのはかなり後のことです。それまでは、様々な仮説が立てられたものの、効果的な予防法はわかっていませんでした。

 

天然痘

天然痘もまた、大航海時代に流行した非常に致命的な感染症です。この病気は、感染力が強く、発熱や発疹を引き起こし、死亡率が高いことから、多くの船乗りや探検家を苦しめました。また、ヨーロッパから新大陸へと持ち込まれた病気でもあり、現地の先住民たちに大きな被害をもたらしたことでも知られています。

 

特に、ヨーロッパ人がアメリカ大陸やアフリカに上陸した際に、天然痘が原因で現地の人口が大幅に減少したと言われています。このように、天然痘はヨーロッパから世界に広がり、世界史においても重要な役割を果たした疫病なのです。

 

梅毒

梅毒は、性行為を介して感染する病気であり、大航海時代にヨーロッパ全土で大流行しました。この病気の発症地については諸説ありますが、新大陸からヨーロッパに持ち込まれた可能性が高いと言われています。大航海時代を通じて船乗りたちが新しい土地を訪れ、現地の人々との交流が増えたことで、梅毒は急速に広まりました。

 

梅毒は感染後、皮膚に潰瘍や発疹を引き起こし、進行すると神経や心臓などの重要な臓器に深刻な影響を与える恐ろしい病気です。治療法が見つかるまでの間、この病は長く人々の命を奪い続けました。

 

ペスト

ペストは中世ヨーロッパで大流行したことで知られていますが、大航海時代においても大きな脅威となりました。ネズミやノミを介して感染する細菌性の病気で、症状が進むと高熱や腫れたリンパ節が現れ、死に至ることが多いです。

 

ペストは主に地中海やアジアとの貿易路で広がり、海を通じて新たな土地へと持ち込まれることが頻繁にありました。特に衛生状態が悪い環境では感染リスクが高まり、船内でもペストが広がると船員たちは次々と倒れていったのです。

 

というわけで、大航海時代に流行った病気や疫病についての解説でした!

 

まとめると

 

  • 壊血病はビタミンC不足による栄養失調で多くの命を奪った
  • 天然痘は新大陸にもたらされ、先住民に壊滅的な影響を与えた
  • 梅毒は新しい土地との交流を通じてヨーロッパに広がり、多くの人々を苦しめた
  • ペストはネズミやノミを通じて広がり、感染が蔓延すると命を奪う恐ろしい病だった

 

・・・というわけですね。つまるところ「大航海時代は、新たな航海の挑戦と共に、未知の病や疫病との戦いの時代でもあった」という点を抑えておきましょう!