大航海時代の船は、ただの交通手段ではありませんでした。それは異国の土地への冒険、貿易、そして戦いの舞台となる複雑な社会。この時代の船上で果たされた多彩な役職は、それぞれ重要な役割を担い、航海の成功には不可欠だったのです。ここでは、大航海時代の船乗りたちの主要な役職について紹介します。
航海士(Navigator)
航海士は船の位置を特定し、目的地へのコースを決定する責任を担っていました。星の位置を用いた天文航法や、最初の航海地図を使用して、未知の海域でも航路を見つけ出します。航海士の技術と知識は、遠洋航海の安全と成功の鍵だったといえますね。
船大工(Ship’s Carpenter)
船大工は船の修理と維持を担当し、航海中に発生するあらゆる損傷に対処しました。緊急時の修理能力が、過酷な海洋条件下で船と乗組員の生存を左右します。
操舵主(Helmsman)
操舵主は船の舵を取り、航海士の指示に従って船を操縦します。この役割は、特に悪天候や戦闘時において、船のコントロールを保つ上で極めて重要でした。
通訳(Interpreter)
新しい土地に到達した際には、通訳が現地の言語を理解し、交渉や情報の収集を助ける役割を果たしました。通訳は文化間の橋渡しとしても重要であり、しばしば外交的な役割も担っていたのです。
交易商人(Merchant)
交易商人は船上での貿易品の管理を担当し、異国の市場での売買を行いました。彼らの交渉技術が直接的に船の財政状態に影響を与えるため、その役割は経済的に非常に重要でした。
船医(Ship’s Surgeon)
船医は乗組員の健康を管理し、航海中に発生する病気や怪我の治療を行いました。遠洋航海のリソースの限られた条件下での医療サービスは、乗組員の生存率を大きく左右しました。
砲術士(Gunner)
砲術士は船の防衛を担当し、海賊や敵対する船との戦闘に備えて砲を操作しました。彼らの技術は、船の安全を守る上で極めて重要であり、しばしば船の命運を握っていました。